Education with Style

学校に馴染めない子供と先生たちへ ~教育における新しい可能性の提唱~  

なぜ元少年Aはベストセラー作家になれたのか?


少し前に私のコーチング講座のブログで書いた記事の転用です。


1997年、日本中を震撼させた神戸連続児童殺傷事件。

元少年A(酒鬼薔薇聖斗)による
『絶歌』について、コーチングの視点から解説をしました。内容や出版についての賛否や感情論ではありません。


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この本の内容はナルシスティックで耽美な表現が多く、文学作品みたいで読んでて居心地が悪さを覚えました。

私の中では山本文緒の傑作、『恋愛中毒』の最後の方に受ける、ぞわっという感じに似ていることを思いだしました。

恋愛中毒は、中年のおばさんが会社の若い男の子に、若かりし頃の壮絶な恋愛話を語って聞かせる物語です。

恋愛小説なのにサスペンスを読んでるかのような緊張感が素晴らしい。

始まりと終わりで、それぞれそのおばさんが語っているシーンが出てきますが、

狂気じみたその恋愛は過去のものではなく、このおばさんはまだその夢の中にいるんじゃないか、と思わせる表現が何とも言えず、そら寒いのです。
 
元少年Aの文面もなんとなくリアルと幻想が交錯しているような危うい印象を受け、この子はまだ夢から覚めていないんじゃないかと思わせる、そういう居心地の悪さを感じました。

この本が反感を買う理由の1つはその辺りなのでしょう。


特に締めくくりの文は綺麗にまとまりすぎて違和感を禁じ得ません。

ぼくは足に力を込め、地面を踏みしめて歩き出した。

どんなに遠廻りしても、どんなに歪で曲がりくねっても、いつかこの生命の果てに後ろを振り向いた時、自分の遺した足跡が、一本の道になるように。


随所に現われる耽美な表現、そしてアクセサリー作りやペーパークラフト、コラージュに没頭していたというところから、彼は右脳が発達しすぎてリアルと幻想の区別がつきづらいタイプの人ではないかと感じます。


彼の両親の育て方が悪いから殺人を犯したんだという説が多く、彼の両親の手記を私は読んでいませんが、レビューを見た限り、問題のある両親と捉えられている人が圧倒的多数です。

ただ、絶歌の中で語られる元少年Aの弟たちは本当に立派な子たちに感じます。

三男は自分の友人であった淳君を兄に殺されたという事実や、事件発覚後から受けたであろう差別やバッシングそして苦悩は彼らにとってどれほど辛いものだったか想像を絶します。

にもかかわらず、怒りや苦しみをぐっとこらえて兄を応援する彼らには心を打たれました。

同じ両親に分け隔てなく育てられた3人のうち1人が異常行動に走るという事実から、両親の育て方が悪いと一口に言ってしまうのは乱暴な気がします。


私の師である苫米地英人博士は、「時間は未来から流れてくる」ということを説いています。

それがコーチングの本質でありキモなのですが、自分がゴール設定した未来をありありと思い描くと、脳が勝手に方法を見つけて観たものを具現化します。頑張って未来を創っていくのではなくて、『流れてくる』という感覚がぴったりです。


このケースに当てはめてそれを考察するなら、元少年Aが言っている、

ぼくにとってのスターはジェフリー・ダーマーなど世界に名をとどろかせる連続猟奇殺人犯だった。

ロバート・K・レスラーなどの異常犯罪心理関係の本を読み耽った。


という辺りが注目すべき点でしょう。


異常殺人の本を繰り返し読み、シリアルキラーに同調し強烈な臨場感の元、殺人界のトリックスターになるという妄想にふけっていた少年は、知らずのうちにコーチング理論に沿ったゴール設定をしていたと考えられます。

右脳が発達しているが故、その臨場感は強烈だったはず。

そこからあとはもう自動操縦で、憧れのシリアルキラーたちがするであろう暴力的な行動を脳が勝手に選択して現実化していきます。

ついにはゴール設定したとおり、少年犯罪史上に残る猟奇的な殺人事件が具現化し、彼の本はたちまちベストセラーになりました。

切り落とした淳君の頭を最初は木の下に埋めようと思ったけど、結局学校の門の前においたというところや、その他のグロテスクな行動は、本に載るような異常殺人のRASが働いたとしか考えられません。


これを書いていて思いだしたのですが、ちょうど同じシリアルキラーブームの時に私もロバート・K・レスラーの本を読み耽っていた時期がありました。

私が同調したのは心理分析官の方でした。小さな手がかりから犯人像を冷静に推理、分析していくレスラーの仕事ぶりはカッコよく、憧れました。

私もまた、あの時『未来』だったものを、2015年、こうして『現在』として体感しているのかもしれません。


親や先生といった子供の教育を預かる立場にいる人にとって、

こういった思考が現実化していく仕組みを正しく理解していくこと、

そして自分がそれを日常生活に活かせているということは必要不可欠です。


その上で1人1人の子供がどんな未来を描いているのかを認識し、本当に素晴らしいゴールへ軌道修正していくスキルが求められます。

人を思いやれるようになってほしい。

勉強に励んで、いろんな知識を習得してほしい。

学校生活を充実したものにしてほしい。


というような、先生と生徒(あるいは親と子)に共通するゴールを見つけ、脳内に設定することができれば、子供たちの輝く未来は保証されたようなものです。

あとは、未来から流れてくるそれを受け入れればいいだけ。


脳の認知の仕組みが解明され、以前は奇跡としか言いようのなかったことが意図的に起こせる人が増えている時代が、すでに到来しています。

以前は他人は変えられないと信じていた人が圧倒的大多数でしたが、現代の最先端脳科学を応用すると自分の言葉や行動を変えることなしに、他人を幸せに導いていくことができます。

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なぜあの先生のクラスはいい子たちばっかりなんだろう?

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そんな風に不思議がられてしまう未来をお約束します。


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