Education with Style

学校に馴染めない子供と先生たちへ ~教育における新しい可能性の提唱~  

ムラ意識と不登校に対する恐怖


不登校が問題だと思う前に考えてほしいことがあります。

それは、なぜ不登校はいけないと思ってしまうのか?というメカニズムです。


それは日本人独特の『ムラ意識』と深く関係しています。

人と同じでなければいけない、そうでないとわけもなく不安が押し寄せてきます。日本人のDNAに刻み込まれたムラ意識は、仲間外れにされたら生き残れないという村八分的恐怖を繰り返し呼び起こします。

それは例えばこんなところにも表れています。


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ネットでも街中でも当たり前に見かける「ランキング」

飲食店に入れば、「一番人気はこのメニュー」

カラオケ店に入れば、「一番歌われているのはこの曲」

電気店に入れば、「一番の売れ筋はこの商品」


あらゆるところにランキングがあり、多くの人が上位のものを買いたいという衝動に駆られるのです。1位のものを買うのがいいこと。みんながやっていると思うだけで安心する、これはムラ意識の一つの表れでしょう。

1番売れているから確かな商品だというもっともらしい理論も成り立ちそうですが、実はみんなと同じではないと怖いという無意識の強迫観念を逆手に取った商法なのです。


民族性を表すジョークにこんなのがあります。

その人を海に飛び込ませるにはどうしたらいいか?

彼がアメリカ人なら「今飛び込めば貴方はヒーローになれるでしょう」
彼がフランス人なら「決して海には飛び込まないでください」
彼が日本人なら「みなさん飛び込んでいますよ」

と言うといい、というもの。

抜きんでたい意識の強いアメリカ人や、人と違うことをしたいフランス人には、ランキングなんて全く心に響かないでしょうね。

私の住むオーストラリアでは、本屋さんで「ベストセラー」という宣伝を見かける程度で、こういったランキングや売れ筋No1みたいなものを見かけることは、ほとんどありません。


学校に行くのはみんなが当たり前にすること。

なので学校に行かないという選択は、何となく悪い気がしてしまいます。理由を探そうと思えばいくらでも見つかるでしょう。勉強が遅れてしまう、怠けものになってしまう、社会性が身につかない、学費がもったいない、将来困ることになる。

でも本当の恐怖は、学校に行かないことが自分の人生に悪い結果をもたらすという恐れよりも、ムラ(自分の属する共同体)からはみ出てしまうのが怖いという感情の支配の可能性が高いでしょう。


そんなあえてはみ出す選択を恐れずにするのが、不登校の生徒たち。

いじめなど、実際的理由で学校へ行けない子供たちもいますが、それよりも多いのはただ何となく行きたくない、というものです。


友達の輪に入れない、気が合わない・・・

先生が気に入らない・・・

勉強がつまらない・・・


これは云い換えるなら、


周りに迎合したくない、染まりたくない。


尊敬できない先生の教えなど学びたくない。


ピラミッドの頂点に立っているのは、総じてそういった『異端者』たちなのです。