Education with Style

学校に馴染めない子供と先生たちへ ~教育における新しい可能性の提唱~  

コミュニティベースのスクーリング・ネットワーク


教育において私が理想とするのは、その教授者が子供たちに伝えたいと思うことを伝えることができ、子供たちが学びたいと好奇心や探求心を持って学ぶことができる環境づくりです。

それを追究しようとするとき、既存の学校という枠組みに縛られてしまうとどうしても妥協しなければならないことが出てきたり、自分が誰よりも大きな情熱を持っていたとしても、多数が求めることに従わなければならなかったりと、その道は厳しいものがあります。

そこで、いわゆる「学校」に先生がいて、教室があって、生徒たちが通ってくるという図式から外れてみたらどんな可能性が広がるだろうと考えてみました。


■ホームスクールの進化型 コミュニティベースのスクーリングネットワーク

オーストラリアのセントラル・コーストという地域にホームスクーラーのネットワークがあります。 これは家庭ごとにホームスクーリングを実践するのは大変だからということで自然発生的にできてきたもので、お母さんが得意なことを分担して教えあう協力体制です。メーリングリストや地域の掲示板で意見交換や情報交換、ホームスクーラーたちの交流が行われています。

ただこれはあくまで助け合いであり、教育の質について問うことはできません。

私の考えるコミュニティベースのスクーリングネットワークは、まず正しいコーチングスキルや教育に関する一定の基準を満たした人が、自宅や地域の公民館などでクラスを持ちます。

教える内容は国語や算数といったベーシックなものからオリジナリティあふれるものまで、先生となる人自身が子供たちに伝えたいという情熱を持っていることが大前提です。子供たち――ここでは小中高生を対象とします――は大学の履修をするような感覚で、先生の人柄や科目を吟味して受講を決めることができます。偏りすぎないように大まかな授業選択のガイドラインを設けます。

先生になれるのはアカデミックなスキルを持った人はもちろん、ビジネスで成功を収めている人、社会貢献の実績がある人、海外生活の経験からいろいろなことを語れる人など様々です。

これは学校に行くと担任やその他の先生が勝手に決まっていて、一方的にその授業を受けなければいけない仕組みとは大きくことなり、先生も生徒もどちらも自主性や創造性が育まれ、主体的な教育の受け手・担い手として参加できるシステムではないかと考えます。

また近年特に叫ばれるようになった地域社会の活性化やコミュニティデザインといった観点からも、大きな可能性が広がります。