Education with Style

学校に馴染めない子供と先生たちへ ~教育における新しい可能性の提唱~  

誇り高くあること


これからの日本に必須な、でも絶望的に欠落している資質。

 

それは「誇り高くある」ということ。


日本という社会で自尊心を育むことや、誇りを持つことはいったいどのように授けられるでしょうか?

高校生で初めてアルバイトをした時のことを覚えていますか? 

私は近所のファーストフード店でした。 バイトを始めるとまず徹底的な接客の教育がありました。それはもう単語レベルで、どこで何を言うかを叩き込まれるのです。振る舞い方もしかり。

今日の夕方、駅前で区の職員らしき人が黄色い安全ベストを着て、

「こんばんは、お疲れ様です、お気をつけて」と連呼しているところに遭遇しました。


高校生の初めてのバイトから50代すぎの役所の職まで、自分の意志とまったく関係ない言葉を言わされることに、何の違和感も感じないのでしょうか?

その違和感に鈍感になってしまうほど、私たちは小さなころから他人に従うことにならされているのだろうと思います。

誇りとは、自分が責任を持って行ったことが他人の役に立つことで沸き起こる敬意や幸福感のことです。 けして、他人の言うとおりにしたことで生まれるものではありません。

私の息子の学校、Lorien Novalis(ロリエン・ノバリス)スクールの高校3年生は今年の修学旅行でバヌアツ共和国にいくことになりました。この学校ではバヌアツ共和国の女性の地位向上のためのサポートをしていますが、今年の3月サイクロン直撃によりバヌアツは壊滅的な被害をこうむりました。

そこで高校3年生たちとその保護者が中心となり、地元企業からの寄付集め、ファンドレイジングのためのお祭り、各家庭で焼いたケーキの販売と精力的に活動し、およそ60万円が集まりました。

復興支援のために、ロリエンの高校生たちは来月バヌアツへ向かいます。


去年水をためるシステム(井戸)をみんなで創りました。これはバヌアツの女性たちが、きれいな水を販売し自分たちでお金を稼いで自立するための支援です。今年はサイクロンで壊れてしまったこの井戸を立て直します。

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ロリエン・ノバリス校では、先生と生徒たちが話し合い修学旅行の計画を立てます。


共に勉強した仲間が集まったエネルギーでどんなことができるのか?

自分たちをこの世界のためにどのように役立てることができるのか?



こちらは去年ロリエンの生徒たちがベトナムへ行き、貧しい人たちのために家を建てた時の写真。


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本人たちだけではなく、この学校に属するすべての人々がこれらの活動を誇りに思っています。

自分が日々を生きる時、何を思い、何を目指し、何を達成することを願うのか。


それを考える機会を、私たち日本人は学校で教わったでしょうか?


日々考えることと言えば、

先生に怒られないようにすること、
先生のしつけを守ること、
良い成績を取ること。


私たちの本当の望みはいったいどこに、その出口があったというのでしょうか。


毎年行き先の決まった修学旅行で、興味のないお寺めぐりで、いったいどうやって自尊心を育めばよかったのですか?


大人たちは望みを叶えることよりもまず、何を望んでいたかを思い出すことから始めなければならないかもしれません。


でも、ティーンエイジャーたちには、それを具現化するすべを学んでほしいと思います。


本当の思いを忘れてしまう前に。


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高校生のための自分攻略コーチング講座 - Education with Style